呪術廻戦145話「裏」では偽夏油(加茂憲倫)に宿る正体の名前が明かされました。その名前は「羂索(けんじゃく)」というものでした。九十九の「慈悲の羂、救済の索」という言葉からも何かしらの意味があることがわかります。
そこで今回は羂索という言葉について実際にモデルとなったものやその意味などを解説していこうと思います。
呪術廻戦にでてきた羂索という名前は実在するモデルがあった
呪術廻戦145話では偽夏油に宿っている正体の名前が明らかとなりました。その名前は【羂索】という名前で「けんじゃく」と作中では読んでいました。
この羂索というものは仏教の中に存在する言葉であり、仏像がもつものの一つを表すものです。
「羂」は罠という意味であり、「索」は縄を意味します。
つまり羂索とは魚や鳥を捕獲する狩猟で用いる縄のことを指します。
ここだけ知るとなぜこの狩猟で使用される縄を作中の偽夏油の正体の名前にしたのか疑問に思います。
作中に登場する宿儺や受胎九相図などはしっかりとしたモデルが存在し、そのモデルと深い関係性があります。
ただ、この羂索という名前に関しては正直微妙な意味合いだと思いました。
そこでより深く調べてみるとかなり近いものを感じるものがありました。
羂索は救済を示唆するものでもある
羂索は鳥や魚を捕まえる狩猟で使われる投げ縄であるが、仏教ではこの縄には特別な意味があるみたいです。
仏教における縄は生き物を縛り自由を奪うだけでなく人々を救い上げる仏の慈悲の心が象徴されたものであるそうです。
さらに悩んでいる人を救い上げるだけでなく悪い心を縛り上げたり、人と人の心を結びつける役目もあるみたいです。
つまり羂索という言葉は人々の救済を意味すると考えられます。
現在作中では偽夏油こと羂索は呪霊と組んで多くの人々を手にかけたり、死滅回遊という儀式をおこない救済とはほど遠いようなことをしています。
偽夏油の目的は呪術師だけの世界を作ることであり非術師を皆殺しにすれば呪霊の生まれない世界が作れるという思想に陥ります。
術師の数が少なく非術師が多くを占める世の中で肩身の狭い思いをしながら非術師を守るために活動している術師にとってはある意味救済と捉えることのできます。
九十九の「慈悲の羂、救済の索」とは?
呪術廻戦145話「裏」では偽夏油の本当の名を聞いた九十九由基が「慈悲の羂、救済の索か。皮肉にもなっていないね。」と発言しています。
慈悲の羂、救済の索とは何か気になります。
実はこの言葉も仏教の教えにありました。
「羂索とは慈悲の索なり」
これは不空羂索観音様の教えであり、羂索は慈悲(人々をあわれみ、楽しみを与え、苦しみを取り除く心)の索(縄)であるとされます。
そのためこの九十九の発言は「慈悲の羂」は人々の苦しみを取り除く罠で「救済の索」は人々を救済する縄のことを意味するため、いまの偽夏油にとっては皮肉にすらなっていないといっているのだと思います。
羂索を持つとされる仏像様
羂索は人々を救済する縄ですがこれを持つ仏像は以下のものです。
不空羂索観音
不動明王
この左手に持っている縄こそが「羂索」ですね!
ちなみに不空羂索観音様は人々の煩悩を羂索ですべて救い上げる願いを込めたものだそう。
「空」はむなしいことを表し、「不空」でむなしさがないことを表します。
そして羂索は人々を救い上げる縄なので、人々に空しいことがないように救い上げてくれるという意味が込められているようです。
不動明王様は悪を断ち切り仏の道に導くことで救い出す役割があるそうです。姿が怖いため戦いの神様だと勘違いしやすいですが、悩む人々の煩悩を断ち切り善の道へ導いてくれる慈悲に満ち溢れた神様なのです。
まとめ
羂索とは人々を救い上げる縄のことで救済を意味するものであります。偽夏油の正体の名前が羂索なのはもしかしたら呪力のあるものの救済を行うという意味でつけられたのかもしれませんね。
呪術廻戦では名前にも実際するモデルなどから伏線を引っ張っていることが多いため、必ず何かしらの意味があると思います。
偽夏油こと羂索は滅ぼすというよりも死滅回遊などで呪力を満遍なくいきわたらせることでの救済を行っているのかもしれませんね。
作中では正体が明かされて真相に迫っているため今後の展開が楽しみですね!
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